2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

(4)『大導寺信輔の半生』

日本の近代文学作家のなかには教員を経験した人がかなりたくさんいるように思います。夏目漱石や島崎藤村などは正規の教員でしたが、石川啄木をはじめとして「代用教員」まで含めると、石牟礼道子・宇野千代・三浦綾子・宮尾登美子・坂口安吾といった人たち…

『白い壁』

昭和のはじめのころ、東京の下町の尋常小学校。鉄筋コンクリートの校舎が城砦のように聳え立っている。本庄陸男はその下町の小学校の教員経験を、後に『白い壁』(1934年)という小説に書いています。彼が編集長だった『人民文庫』が1938年廃刊に追いやられ…

『雲は天才である』

1906年4月石川啄木は故郷渋民村の尋常小学校の代用教員となります。このときの経験をもとに『雲は天才である』は書かれています。『足跡』『葉書』などにも尋常小学校の様子が映されています。『雲は天才である』(明治39年)に登場する代用教員、新田耕助(…

『千曲川のスケッチ』

1899年(明治32年)から島崎藤村は小諸義塾の教師を6年間勤めました。この時代の藤村の教員生活が『千曲川のスケッチ』からうかがうことができます。書かれたのは明治末年から大正初年です。雑誌『中学世界』に連載したものでした。夏目漱石の『坊ちゃん』は…

「父兄」「地域」

学校や社会に流通するコトバが変身したり、別のコトバになったりということがよくあります。その変容をたどっていくと、あるいは明日の学校社会のコトバが見えてくるかもしれません。 たとえば団塊の世代に属する私などが生徒だった時代には「父兄参観」「父…

民間委託

ある市の市報(2007年7月)に「給食調理業務の民間委託が始まります」という記事が載っています。それによると市内の小学校給食の年間必要経費は約8億円で、そのうち「調理員に係わる人件費等」が約6億円だと円グラフで説明し、委託化によって1校あたりの…