原田泰治の絵

諏訪にある原田泰治美術館で原田泰治の絵を見てきました。昔、子どもたちに読んであげていた絵本のなかに彼の絵本もありました。彼の描く家は決してまっすぐに立っていません。また地平線は平らなことはなく、左肩下がりだったりまるかったりします。遠近法など無視、というかそういう近代西欧絵画の流儀にとらわれていません。カメラで現場の写真を丁寧にとって、そこに住んでいる人たちと対話し、取材して描くそうです。でもカメラの写す世界とちがって、物語の世界が立ち現れています。

昔懐かしい日本が描かれることが多いのでしょうが、決してナショナルな気分の持ち主ではないようで、ブラジルやアメリカなどでも描いているそうで、そこに日本人が懐かしさを感じるとしたら、その懐かしさは「日本的」というものではなく普遍的な「懐かしさ」なのでしょう。